魔術の始まり
魔術と言っても色々と種類があり、主に黒魔術と白魔術に分けられます。その違いについて明確に理解している人は少ないかもしれません。魔術のルーツは、動植物など自然界のパワーを用いた自然魔術であるといわれています。紀元前から存在したと言われており、神や精霊を呼び出す超自然現象を引き起こすものであると考えられていました。そして中世のヨーロッパに、それまで世界各地に存在していたシャーマンや呪術師と呼ばれる者たちの祈祷や儀式が集まり、その長所が融合し、黒魔術と白魔術が誕生したのです。しかし、世界中の魔術が集まっても、分類するのはとても困難な作業でした。その時に大きな役割を果たしたのが、ヨーロッパに伝わっていた「ヘルメス文書」と呼ばれる太古の古文書だったのです。
ヘルメス文書とは、伝説的な錬金術師ヘルメス・トリスメギストスが著したと考えられている文書であり、この書の発見なくして現代魔術はあり得なかったと言われています。現在は、文書の大部分は消失してしまいましたが、占星術・錬金術・魔術について詳細に書かれていたと伝わっています。
白魔術と黒魔術
白魔術とは、主に天体や、自然に存在するものを媒介にして行なう魔術です。自然界に存在する目に見えるものや、天使や精霊などの超自然的な存在から力を得るために発揮されます。古代シャーマンが扱っていた神や天使、精霊などから力を借りて行なう儀式をベースとしています。占星術も白魔術の分野です。ルネサンス時代の白魔術は、自然科学や哲学にも通じており、学問と位置付けられてもいました。
対して黒魔術は、儀式を用いて精霊や超自然的な存在から力を得ることは白魔術と共通していますが、白魔術とは違い欲望を叶えてくれるのが黒魔術であり、相手を呪うといったものも基本的に黒魔術にあたります。黒魔術を巡ると、西洋の儀式魔術や、魔女術につながり、これらに共通しているのが悪魔の力を借りて行なうというものです。魔法陣という言葉を聞いたことがあると思いますが、黒魔術の儀式を行なう時に必ず施すものなのです。魔法陣は悪魔を召喚してその力を借りると同時に、悪魔から魔導士の身を守る結界の役割も果たしています。
錬金術
錬金術は、古代エジプト文明時に発祥した学問が始まりとされています。文字通りに卑金属から金・銀を作りだしたり、不老不死の万能薬を作りだす“秘術”としての側面が強かったため、科学技術としてではなく魔術に分類されてきました。しかし、十六世紀に錬金術師でもあり医師でもあったパラケルスの登場により、錬金術は魔術としてはもちろん医術としての価値を高めていったのです。
アルテミシアの黒魔術
これまでに紹介してきた全ての魔術の要素を融合しているのが「アルテミシアの黒魔術」です。これは高等魔術と呼ばれるもので、他の魔術とは一線を画します。高等魔術とは、黒魔術と白魔術の区別なく、あらゆる制約を超越し、神のごとくパワーを発揮できる魔術です。天候を支配したり、他人の心を自由自在に操ったりと、超自然的な力の獲得も可能とします。白魔術と黒魔術に区別して行なわれる儀式も区分することなく同様の儀式として執り行なうことができるので、白魔術と黒魔術の長所を混合させた魔術を発揮することが可能です。これは、現代において大魔導士アルテミシア・クロウリーのみが扱える魔術と言えます。なぜならば、あまりにも強大な魔力を使用するため、他の者では不可能だからです。したがって、魔術の名前も“アルテミシアの黒魔術”とされているのです。
※当サイトでは便宜上、アルテミシアの黒魔術を“黒魔術”と総評しております。取り扱うすべての魔術アイテムに込められている魔術は、高等魔術であるアルテミシアの黒魔術ですのでご安心ください。